暑さに負けないぞ!運動における熱中症の正しい予防と対策について学ぼう

暑さに負けないぞ!運動における熱中症の正しい予防と対策について学ぼう

いよいよ暑さが本番になってきました。毎年この時期になると必ず話題になるのが「熱中症」です。とくに今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、炎天下でもマスク着用を義務付けられて息苦しい毎日を過ごすことになり、より一層気をつけなければなりません。そもそも「熱中症」とはどんな病気なのでしょうか。予防法やその対処法はどうすればいいのかなど、このブログを通じて皆さまにご理解を深めていただければと思います。

 

日本では夏などに体温が上がり、気分が悪くなったりする症状を熱中症と括られます。熱中症は暑い環境下において身体適応の障害によっておこる状態の総称です。アメリカの全米アスレティックトレーナーズ協会の声明では、Exertional Heat Illnesses (EHI)(訳:労作性熱中症)と呼ばれ、5つに分類されています。

 

アメリカのアスレティックトレーナーは主にスポーツ医学を専門とする国家資格を有する準医療従事者で、全米アスレティックトレーナーズ協会 (NATA) はその専門家の統括団体です。今回は労作性熱射病の予防や対処法についてNATAのポジションステートメント(基本方針表明)を簡単にまとめた内容をお伝えしたいと思います。

 

EHIの5つの分類

    1. Exercise-Associated Muscle Cramps(運動誘発性筋痙攣)
      ・暑い環境下で、運動をして筋肉が“つる”現象を指します。
      ・睡眠中に足がつる“こむら返り”など神経症状などで筋肉が痙攣をおこすものとは違いますよ、という意味でこのような名称になっています。

    2. Heat Syncope(熱失神)
      ・ 暑い環境下で、脳への血液量が充分でないことが原因で立ちくらみめまいが起きる状態を指します。
      ・特に、暑い環境下で長時間動かずに立っている、座っている、横たわっている状態から急に動き出した際に起こります。

    1. Heat Exhaustion(熱疲労)
      ・暑い環境下で、運動を行えない状態を指します。

    2. Exertional Heat Injury(労作性熱障害)
      ・暑い環境と激しい運動によって体内温度が上がった状態が続くことによっておこる内臓や筋肉などへの障害を指します。

    3. Exertional Heat Stroke(労作性熱射病)
      ・EHIの中で最も重症度の高い分類です。
      ・暑い環境下で、意識消失や情緒不安定など神経精神的障害を伴う熱中症を指します。
      ・深部体温は5℃以上の状態です。

 

EHIの予防

 

・涼しい部屋で7時間以上の睡眠バランスの良い食事、運動前・中・後に適切な水分補給を取るようにしましょう。

    • ・充分に水分補給ができている状態で運動を開始し、運動中や運動後に適切な水分補給を行いましょう。
      • ・運動中の体重変化は2%未満に抑えるように水分補給を行いましょう。
    • ・暑い環境下で運動をする場合は、7日から14日ほど時間をかけて徐々に身体を環境に適応させる“暑熱順化”を行いましょう。
    • ・1日に複数回のトレーニングがある場合、水分や栄養の吸収を行うためにトレーニングの間は23時間は空けるようにしましょう。
    • ・熱中症の症状がみられる場合、迅速な全身冷却が不可欠です。すぐ手の届くところにアイスタオルや冷えたペットボトルなどを準備しておきましょう。
    • ・集団で運動を行う場合は、熱中症に対してどのように対応するかの計画をあらかじめ作成しておきましょう。(救急隊の要請や身体を冷やす方法など)

 

 

EHIの対処法

 

  1. Exercise-Associated Muscle Cramps(運動誘発性筋痙攣)
    ・休憩、ストレッチ、アイシング、マッサージ、塩分と炭水化物を含んだ飲料や食品の摂取を行いましょう。
    ・痙攣は数分から数時間で改善する場合がほとんどです。
  2. Heat Syncope(熱失神)
    ・日陰や涼しい場所に移動し、バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸速度、体温)を確認しましょう。
    ・足を心臓より高い位置に上げ、アイスタオルや扇風機で皮膚を冷やし、水分補給をしましょう。
    ・熱失神は数時間で改善する場合がほとんどです。

  3. Heat Exhaustion(熱疲労)
    ・日陰や涼しい場所に避難し、バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸速度、体温)を確認しましょう。
    ・ 足を心臓より高い位置に上げ、アイスタオルや扇風機で皮膚を冷やし、水分補給をしましょう。
    ・余分な衣類を取り除き、汗の蒸発を促しましょう。
    ・症状は24時間以内に回復する場合が多いですが、症状が出たその日は運動を控えましょう。

  4. Exertional Heat Injury(労作性熱障害)
    ・日陰や涼しい場所に避難し、バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸速度、体温)を確認しましょう。
    ・ 足を心臓より高い位置に上げ、アイスタオルや扇風機で皮膚を冷やし、水分補給をしましょう。
    ・余分な衣類を取り除き、汗の蒸発を促しましょう。
    ・症状は24時間以内に回復する場合が多いですが、症状が出たその日は運動を控えましょう。
  5. Exertional Heat Stroke(労作性熱射病)
    ・熱中症と判明してから30分以内に深部体温を38.9℃以下に冷やすことに専念しましょう。
       ー 回復に要する期間は初期対応によって異なります。
       ー 運動への復帰は医師の判断が必要となります。
    救急隊に出動要請を行いましょう。
       ー 救急搬送は直陽温度が38.9℃以下になってから。
    ・冷水槽やブルーシートなどでアイスバスを作り、全身冷却を行いましょう。
       ー 首まで冷水に浸けるのが最も効果的で、水の温度は7-15℃を保ちましょう。
       ー 常に水をかき回すことで身体を冷やす効果が増します。
       ー アイスバスが使用できない場合は、アイスタオルなどで身体を冷やすことをすべきですが、全身のアイスバスほど効果的ではありません。
    ・日陰や涼しい場所で、常にバイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸速度、体温)を確認しましょう。

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